結婚式で和装をご希望の花嫁様へ

和装をお選びの際には、衣裳をより一層魅力的に引き立たせるために小物選びに関心をお持ちになると良いでしょう。ウエディングドレスの時の小物はブーケ、ベール、リングピローなどよく耳にするアイテムがたくさんありますが、和装の小物にはどんなものがあるのでしょう。またそれらの小物にはどのような意味があるのでしょう。
伝統や歴史、意味を知ることで、ますますその魅力に惹かれると思いますので、ひとつひとつご紹介していきます。

まず和装結婚に使われる小物には5つの必需品があります。
懐剣(かいけん)、筥迫(はこせこ)、末広(すえひろ)、抱帯(かかえおび)、帯締め(おびじめ)です。

【懐剣】

懐(ふところ)に剣(つるぎ)で「かいけん」と読みます。
布製の袋に入れた短刀で、房がついており、帯の左側に差しておきます。
元々は武家に生まれた女性の護身用の剣で、魔除けとして、また「いざという時は、自分の身を自分で守る」という女性の凛とした意思、気高さを表します。
諸説では、武家への憧れから結婚式の小物として一般的に広まったのは明治以降とされています。
邪悪なものを寄せつけないお守りの効果と、妻としての覚悟が込められている小物です。

【筥迫】

江戸時代、武家婦人が身だしなみに使う化粧品(白粉や紅筆)や懐紙を入れて使う、現代で言う化粧ポーチのような物でした。
現代の和装結婚では、打掛を着る時に胸元を飾るアクセサリーとして着物の合わせに差しこみます。
「夫以外の男性には染まらない」や「いつまでも美しくあるように」という意味が込められているとも言われます。
白無垢姿には純白の筥迫が定番ですが、今風のモダンスタイルでは差し色としてあえて色物を使う花嫁様もいらっしゃいます。金襴(きんらん)、緞子(どんす)、羅紗(らしゃ)などの刺繍が施され、飾り房がついているものが古来からのものでしたが、今では様々な色や柄のものが用意されているので、お好みのもので和装ウエディングのおしゃれのひとつとして楽しんでください。

【末広】

花嫁様が持つ小さな扇子のことです。文字通り末広がりの形をしていて縁起がよく、「末広がりの幸せ」「徐々に良くなっていく」「永遠に続く幸せ」という意味があり、広げると一面が銀色、もう一面は金色になっています。白無垢の時は銀を前に、色打掛の時は金を前に持ちます。
帯に差すか、手に持つ場合は必ず閉じた状態がマナーです。

【抱帯】

和装の長い裾を抱えるために、中央にある帯を抱えるように巻く細帯のことで、現在では婚礼衣装でのみ用いられ、装飾的な役割になっています。写真では、帯の下にある紫色の細帯です。

もともとは階級の高い家の女性が長い裾の着物を着ており、その長い裾を短くするために使われていたので、動きが軽くなることから「自由」を意味する小物とも言われます。現在は婚礼和装の裾の長さに関わりなく抱帯が使われます。
帯の色とのコーディネートを楽しみましょう。帯姿に風格を出す装飾効果が特徴です。

【帯締め】

帯の中心を締める紐のことで、華やかな丸帯の中心をぐっと固定するために巻く細長い紐です。
一般的な和装にも使われますが、婚礼衣裳の場合は中に綿が詰められたボリュームのある「丸くげ」と呼ばれるものだけを使います。丸くげには「永遠に続く幸せ」という意味があるそうです。
白無垢の場合は白のものを使いますが、色打掛や引き振袖なら帯と色を合わせたり、コーディネートの幅が広がります。
また帯揚げと呼ばれる、帯の上部分に結ぶ鹿の子絞りの布との色味使いでより華やかさが増します。

さて、花嫁衣裳で和装と言えば白無垢に綿帽子をかぶるか、古風に文金高島田に角隠しとするかも迷いどころです。意味と由来をご紹介しておきますので参考になさってください。

【綿帽子】

ご存じの方も多い、挙式で花嫁様が白無垢に合わせてすっぽりかぶる純白の袋状になった布です。
昔はちりよけや防寒用に使われていたそうです。
こちらの綿帽子、「挙式が終わるまでは新郎様以外にお顔を見せていません」というつつましやかでロマンティックな意味があるのです。
綿帽子は白無垢の時のみ。色打掛や引き振袖ではかぶりません。

通常、綿帽子は挙式の際に着用し、披露宴では着用しないことが多いです。

【角隠し】

文金高島田と呼ばれる花嫁様の日本髪につける、帯状の飾り。
白が一般的で、こちらは白無垢でも色打掛や引き振袖でもかぶることができます。
「怒りの象徴である角を隠し、従順な妻となる」ことが名前の由来です。現代には少しそぐわない意味だと感じる方もいらっしゃると思いますが、「夫に対して角を隠して、家庭を守る良妻になる」という誓いの意味もあります。意味にとらわれずに申し上げると、角隠しは綿帽子と違って華やかな日本髪やかんざしやこうがいといった髪飾りが見えるのが素敵です。

かんざし、こうがいもまた大切な和装小物です。

かんざしはかつて魔除けとして髪に差していたものが、江戸時代頃から髪飾りとしていろいろな形や素材で作られるようになりました。
現代の和装結婚では、前櫛(まえぐし)・前挿(まえざし)・中挿(なかざし)・後挿(あとざし)といった4種類をまとめてかんざしと呼ぶことが多いようです。4本ものかんざし、なんとも華やかですね。

こうがいとは、髪飾りの一種ですが、髪をまとめるためや頭をかくための道具が髪飾りとして使われるようになりました。こうがいはかんざしと一緒につける髪飾りで、挙式と披露宴で違うものをつけるのが一般的です。

おでこに近いかんざしから、「前挿(まえざし)」「前櫛(まえぐし)」、まげの所に挿してある横に長い棒が「こうがい」、こうがいに付いているのは「中挿(なかざし)」、一番下に付いているのは「後挿(あとざし)」です。

多種多様な素材やデザインが揃っていますので、お好みのものを探してみてください。

また、日本髪のかつらも昔より軽くなり、髪色も現代に合わせて少し明るくなっていますので、違和感は少ないかと思います。また、自髪結いや髪の長さが足りない場合は半かつらを使い、より自然な日本髪にすることもできますので、ご相談ください。

伝統的で魅力あふれる和装ウエディングの小物について、参考になれば幸いです。

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